毎月のレポートなんていらない。みんな勘違いしているアクセス解析の基本的な考え方。


ホームページを作っていると、非常に多くの人に毎月レポートを出してほしいと言われます。
通常はGoogleAnalyticsのアカウントを渡しているので、その時点でレポートなど必要ないんですが、
毎月のレポートで、日々のアクセス数や、どのサイトから人が来ているのかを知りたいという人が多いのです。

そもそもアクセスレポートを見てどうすんの?

たいていの人は、毎月の人数を知りたいからということでレポートを求めてきます。
それ自体は悪くはありませんが、問題はその数字に意味があるのかということです。
そもそも、そのレポートを見て何がどう変わるのか。
運営らしきことは何もしていないのに、
先月は1000人でした、今月は1200人でした、
「増えたぞー、わーい。来月も増えますように!」
その次は900人でしたが、さらにその次は1200人に戻りました。
「一度減ったけれど、1200人に戻った、良かった」
そう思いながら日々が過ぎるだけであれば、これに何の意味があるのでしょうか。
動く数字を追いかけて一喜一憂しているだけという人が非常に多い。

そして、アクセス解析を見ていても何をしたらいいのかわからない。
そりゃそうでしょう、この数字は何人来ているかという結果であって、
それが何かを教えてくれるわけじゃないんです。
GoogleAnalyticsってすごいいろいろなデータを教えてくれるんだけれど、
その数字自体は単なる結果で、そこから何か課題を見つけるのって思っている以上に難しい。

1年もすれば、今のアクセス数について何かアドバイスを求められる。
ホームページを立ち上げたころから何もしてなければ、課題は何も変わってないでしょう?

データは比較する

数字は比較して初めて意味が分かります。
全ては相対的なもので、時速100kmが速いのかどうなのかは状況によって変わります。
新幹線と比べたら遅いし、人間と比べたら速い。
それが速いとか大きいとかを論じるには、何かと比較しないといけないんです。
例えば、モバイルではこうだけれどPCではこうみたいなね。

ホームページの改善においては改善の前と後ろを比較しないといけない。
1年間ホームページを改善してきたのであれば、当然1年前と比較するべきだし、
その1年間にやってきたことが記録できていなければ、何が改善として効果的だったのかもわからない。
適当に歩いてみたら、たまたまゴールに近づいてきた人と、
何がどれだけゴールに貢献したかを認識した人では、次の1歩のゴールへ近づく確率が全く違うよね。

課題からのアプローチが大切

データそのものはいろいろな要因の合わさった結果なので、
分析とは読んで字のごとく分けて解析するということなので、より意味のある具体的なものに分けていかないといけない。
アクセス数が去年と同じでも、モバイルとPCの割合は変わっているかもしれない。
検索からの流入が減ってSNSからの流入が増えているかもしれない。
切り口によってはいろんな見方があるんだけれど、目的もなく分析するのってそれこそ切り口が膨大にあってむちゃくちゃ無駄が多い。
それでなにか大きな解決策を見つけられるのって、あるかどうかもわからない宝石をひたすらしらみつぶしに探すによく似ています。
問題を解決するヒントは、その課題を先にそれに対する仮説から分析を進める必要があります。

・電話からの問い合わせをもっと増やしたい
・モバイルからのアクセスをもっと便利にしたい
・ソーシャルからのアクセスをもっと増やしたい

こういった課題を先に考えて、それに対して何をすべきかということをデータで探っていくんです。
レポートだけを見て課題がすぐにわかるホームページもありますが、そういったホームページはそもそも解析以前の問題を抱えていることが多いでしょう。
一般的にはそう簡単に目に見えてわかる課題や原因ってなかなかないんです。
何も考えずに、ただひたすらレポートを見ていてもなにも改善策は見つかりません。

まずは、レポートを見る前に、
ホームページの理想の状態とはどういうものか、
そこにたどり着くためにはどういった問題を解決していく必要があるのかというのを洗い出し、
その課題に対してひとつづつレポートのデータを使ってすべきことを見つけましょう。

レポート → 課題を見つける

のではなくて、

課題 → レポートで原因を究明

というのが正しい使い方です。
なので、毎月のレポート配信なんていうのは意味がないと思っています。

そういう方多いんじゃないでしょうか。

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